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シクロデキストリン
18th 11月 2008
シクロデキストリン(CD)とは、D-グルコースがα1→4グリコシド結合で環状に連結したオリゴ糖の総称であり、代表的なものはα-CD(6個のグルコース)、β-CD(7個のグルコース)、およびγ-CD(8個のグルコース)と呼ばれる(図1)。
CDは底のないバケツのような形をした分子で、多数の水酸基(-OH)を有するため水に良く溶ける。しかしながらバケツの内側は炭素(C)と水素(H)で占められているため極性が低く、疎水性の有機物を中に取り込んで包接錯体を作ること(図2)が化学の世界で広く知られている。
CDは包接錯体を形成する際、空洞の大きさや形状に適合する基質を優先的に取り込むため、酵素やレセプターのような生体分子とよく似た分子認識能力を示す。さらにCDの二級水酸基(グルコースの2位および3位炭素に結合した水酸基)は比較的低い解離定数(pKa ≒ 12)を示し、塩基性水溶液中では解離しており、包接したエステルを加水分解する。加水分解されるエステルのアシル基はCDに共有結合するためターンオーバーは期待できないが基質を選択的に取り込んで分解する機構は酵素によく似ている。このためCDを加水分解酵素のモデルとした研究が盛んに報告され、近年でもCDに触媒官能基を導入して触媒能や反応特異性を変えたり、二次的な結合部位を導入することで高い基質選択性を示すものやターンオーバーするように改良されたCD誘導体の合成と機能性評価の報告が絶えずなされている。
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